WHITE NOTES

主にトッテナムホットスパーの分析

【トッテナムホットスパー】前半戦終了時の評価と選手紹介

7.0 ウーゴ・ロリス
相変わらずのビックセーブに加えて足元の技術が向上。自陣からのビルドアップでサイドバックサイドハーフを狙う短いフィードが選択肢に入るようになった。
ニアへ打たれた時に隙を突かれた挙動を見せ、セービングが安定していなかったのが気になる。

8.0 トビー・アルデルヴァイレルト
前半戦のMVP。
まず攻撃面での貢献から述べると、センターバックからのビルドアップが可能になった事。ボールを持った時に自らのドリブルでミッドフィルダーが動くスペースを作り、更に逆サイドへ大きなロングフィードで展開できる。近年のスパーズに無かった司令塔の役割をセンターバックで担っていると言ってもいいかもしれない。
守備面の貢献も同じくらい大きい。ポチェッティーノの戦術はサイドハーフが中、前に行く要素が有り、サイドバックが晒されやすい事が特徴として挙げられる。その際にサイドバックサイドハーフをカバーするが、サイドバックが動いたスペースを常にカバーリングできるのがトビーの利点で、カバーリングのエリアはフェルトンゲン、ダイアーの脇と重要なスペースも担っている。

7.5 ヤン・フェルトンゲン
前述した総合力がとても高く、また旧来のパートナーと組んだ左センターバック。持ち前のハードマークを十分に発揮し、本来のポテンシャルを取り戻したように見える。トビーほどでは無いが自らのドリブルでの持ち上がりと縦へのフィードも。

7.5 カイル・ウォーカー
フェルトンゲンと同様に本来のポテンシャルを魅せ、更に進化している印象を受ける右SB。
守備面でインターセプト数を大きく増加。空中戦やマーキング、攻撃面での幅の作り方、ポジショニング、クロス等成熟しつつある。

6.5 キーラン・トリッピアー
ウォーカーの控えとして、主にヨーロッパリーグに出場。ワトフォード戦で魅せたアーリークロスの精度は記憶に新しい。今後の課題は守備面の向上と攻撃センスの活かしどころ。

7.0 ベン・デイビス
頭脳派左SB。ローズほどのスピードは無いが、中に絞って角度を作った組立てやタイミングを見計らったオーバーラップ、クロスと縦へのパスの精密さでローズを上回る。守備面でもハイボールへの対応が上手くなってきているデータもある。

7.0 ダニー・ローズ
攻撃的左サイドバック
常に左ウィングの位置まで駆け上がり、タイミング重視のクロスを上げたりサイドの幅を作る。
守備面で人に強いあまりに人を見すぎ、大事なスペースを空けてしまう傾向もある。

6.5 ケビン・ヴィマー
アルデルヴァイレルト、フェルトンゲンの控えとして待機。主にELとカップ戦での出場だが、フェルトンゲンの控えとしてのプレーは十分していた。

7.5 エリック・ダイアー
今シーズンから守備的ミッドフィルダーへコンバート。持ち前の激しいチェックとスライディングに加え、知的なインターセプトディフェンダーでの経験を活かしたスペース管理でスパーズの守備を一気に引き締めた。直近の試合から疲労からか可動域が狭かったりタックル数の減少がみられるのでサポートの補強や頭数の用意が必要。

7.0 ムサ・デンベレ
ダイアーと同じくプレーが変わったベルギーミッドフィルダー。シーズン開始時はサイドハーフとトップ下起用からの守備での貢献を期待されていたが、ドリブルでのキープと突破をそのままに主に配給面で大幅な向上に成功。デレアリの台頭と共にボランチに再コンバートされ、リーグ屈指のピポーテになった。怪我の多さが痛い。

6.5 トム・キャロル
シーズン開始時は出番がほとんど無かったが、メイソンとベンタレブ、デンベレの離脱時に頭数として重ねることに成功。長所のリズムを作る左足でのショートパスと動き直しに加えて守備面の貢献とロングシュートを会得した。

6.5 ライアン・メイソン
今季のレギュラーとして数えられていたが、サンダーランド戦の貴重なゴラッソの代償で怪我。出場した試合は主に守備面での向上が見られ、インサイドハーフとトップ下での起用時は攻撃も持ち味を出せていた。

5.5 ナビル・ベンタレブ
大怪我に等しい怪我で前半戦は全く戦力になれなかった。序列も最下位まで落ちてしまったが、持っているポテンシャルはチームトップクラス。控えからの逆襲に期待。

8.0 デレ・アリ
前半戦最大のサプライズ枠。
元々素材の良さは浸透していたが、持っている才能をフルに活かしチームの武器にまで成り上がる。持ち前のドリブル、クイックネスとシュートセンス、スペースを見つけて入り込むセンスが抜群で、トップ下からインサイドハーフが現状は似合っている。課題として挙げられるトラップ、状況認知、判断、ボール配給の判断とパスの精度等が試合中に目立つ事もあるが、試合を重ねていく内に成長していくだろう。

7.5 クリスティアン・エリクセン
前半戦の攻撃陣のMVP。
昨シーズン主に担っていたトップ下でのバイタルエリアでの仕事を明け渡し、左サイドハーフをスタートとして3列目から2.5列目を広く動き回り、デンベレ、ダイアー、トビー、ローズ、ヤン と前線を繋げる役割に徹した。長所である360℃へのトラップの上手さ、視野の広さから成るスペースの使い方や状況判断で味方を使ってほしいスペースに動かす能力を存分に活かせている。昨シーズンまでのオープンプレーからのゴールが増えたり、タックル数が増えたら文句無しのインサイドハーフに成長するかもしれない。

6.5 ジョシュ・オノマー
アカデミーの有望株として短い時間ではあるがセンスを垣間見せた。本来のプレーは推進力と創造性を兼ね備えたトップ下のように感じる。

6.5 ナセル・シャドリ
シーズン序盤は不振だったケインに変わり前線で活躍していたが、リバプール戦の怪我でその輝きが消えつつある。左サイドでのタメからの突破ができていないのが気がかり。

7.5 エリク・ラメラ
昨シーズン見せた長所をそのままに進化させ、短所が無くなりつつある攻撃的ミッドフィルダー。今シーズンは右でも左でも一定のプレーはできているが、特に左サイドに入った時はサイドに張ってサイドチェンジの基準点になっている。トラップとドリブル、ワンツーとスルーパスアーリークロスでチャンスを作る。
守備面での活躍の方がインパクトはあるかもしれない。前線で走り回り、ボールを奪うまで安定しているのは長所と言える。

5.0 アンドロス・タウンゼント
怪我から始まり、ポジションを奪われた後に衝突するという最悪の道。U-21でプレーしているが、トップチームに戻って活躍するのが現状難しい状況。

6.5 ソン・フンミン
怪我で離脱する試合が多かったが、先発出場した試合は周りとの連動とターン、シュート、パス等を出せていたのでこれからに期待。

6.5 クリントン・エンジェ
まだ粗削りな面は否めない。ただ、徐々にだが馴染んでプレーしてだけに怪我は痛い。

7.0 ハリー・ケイン
序盤のノーゴール期間が抜けてからはコンスタントな活躍。今シーズン大きく成長したのは真ん中でのポストプレーで、背負っても負けなかったり2列目を活かすワンタッチプレーが増えた。ドリブル突破も含めより総合力は上がったと言える。